2013年09月11日(水)

『たまゆら〜もあぐれっしぶ〜』
三谷かなえ役・茅野愛衣インタビュー
「一人じゃなく、みんなと一緒だからこそ変われた」(前編)

取材日:2013年8月23日
取材場所:タバック
取材・構成:高瀬司

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tamayura_key010年11・12月に発表されたOVA『たまゆら』、2011年10-12月のTVシリーズ『たまゆら~hitotose~』に続き、2013年7月から放映中のTVシリーズ第2期『たまゆら~もあぐれっしぶ~』。『きんぎょ注意報!』『美少女戦士セーラームーン』『おジャ魔女どれみ』『ケロロ軍曹』『カレイドスター』『ARIA』と、数々のヒット作を手がけてきた佐藤順一による待望の最新監督作品だ。
 父親の遺したカメラを手に夢を探す沢渡楓(CV:竹達彩奈)を中心に、楓の幼なじみでポプリ作りが趣味の塙かおる(CV:阿澄佳奈)、パティシエを目指すムードメーカーの岡崎のりえ(CV:井口裕香)、おっとりとした性格の口笛吹き桜田麻音(CV:儀武ゆう子)ら少女たちの日常を、心地よく流れる時間の中で繊細に描き出すハートウォーミングな物語。この第2期からは、2年生に進級した楓が新設した写真部を舞台に、新たに3年生の先輩・三谷かなえ(CV:茅野愛衣)を新キャラクターとして加え、変わらぬ癒やしの空気感に包まれつつも、より「あぐれっしぶ」な世界観が展開されている。
 bonetでは、そんな『たまゆら』シリーズをめぐる連続インタビュー企画を敢行した。第一弾である松竹の田坂秀将プロデューサーに続き、今回は新キャラクター・三谷かなえを演じる声優・茅野愛衣さんに『たまゆら』世界の魅力を伺った。

 
―― 『たまゆら~もあぐれっしぶ~』は茅野さんにとって初の佐藤順一監督作品の出演となりますが、茅野さんは以前から佐藤監督のファンと公言されてましたよね。
 
01_01茅野 そうなんです。もともと佐藤監督の『ARIA』が大好きで、声優を目指したきっかけの作品でもあったんですね。初めはTVでたまたま目にしたんですけど、素敵な世界観だな、すごく癒やされる作品だなと感じて。そこからアニメや声優に興味を持つようになりました。なので私にとって佐藤監督は、いつかご一緒してみたい憧れの人だったんです。それがこんなに早く夢が叶ってしまって……決まったときはすごくうれしかったですね。『たまゆら』のOVAや1期も観させていただいていたのですが、佐藤監督ならではの、ほっこりした気持ちになれる大好きな作品です。
 
—— すごく運命的な繋がりですね。かなえの演技も、茅野さんの癒やしボイスと相まって、『たまゆら』シリーズの世界観に上手く溶け込んでいたと思います。
 
茅野 ありがとうございます。作品の中で異質にならないように、というのは気をつけたところでした。かなえさんは2期からの登場ですけど、それ以前からずっと『たまゆら』の世界の中にいた子なんだ、って雰囲気を出せたらなと思って。それでいて4人の濃いキャラクターの中でも自然体で、かなえ先輩独特の線の細さみたいなものを残せるように、という辺りは意識していました。
 
—— かなえを演じていく中で、初めの印象と比べて変化などはありましたか?
 
茅野 アフレコを始めたときはまだ先のストーリーも教えてもらっていなくて、初登場時には私も「えっ、敵なの? ライバル? どういう子なんだろう?」って思ってたんですけど、01_02でもお話が進むにつれてあのシーンにもかなえ先輩らしい理由があることがだんだんわかってきて……そうやって少しずつ新しい一面が見えてくる子だったので、やっぱり印象も変わっていきましたね。
 特に、2期のタイトルは『もあぐれっしぶ』ですけど、ぽって部長(楓)だけじゃなく、引っ込み思案だったかなえちゃんも少しずつ「あぐれっしぶ」に変わってきていると思うんですね。ぽって部長たちとの距離もだんだん近くなっていって、そんな中で一人では変われなかったかもしれないけれど、みんなと一緒だったからこそ変われたところがあったんだろうなって。
 
—— かなえと楓たちの距離感はすごくユニークなものだと思います。「ぽって部長」「かなえ先輩」と呼び合い、お互い敬語で話すという関係もすごく微笑ましいなと。
 
01_03茅野 そうなんですよね、かなえちゃんは唯一の先輩なのに一番先輩らしくなくて(笑)。でもかなえ先輩のように、年齢に関係なくみんなと一緒にいられるのって本当は難しいことだと思うんですよ。部長が後輩で、部室にも年下の子ばかりで、でもかなえさんはすごくナチュラルにそこに入ることができて、これって実はすごいことなんじゃないかなって思います。
 最初に知らない子しかいない部室を訪れたのも、ちょっと失敗はしちゃいましたけど、普通はなかなかできないことだと思うので、かなえさんは勇気があるなって。すごく内気で奥手な子ではあるんですけど、やるときはやるぞっていうところは、かなえ先輩の魅力だなって思いますね。