2015年02月25日(水)

Drawing with Wacom
CREATORS INTERVIEW 047
イラストレーター:玖条イチソ

取材日:2015年1月19日
取材場所:ワコム西新宿オフィス
インタビュー・構成:高瀬司

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イラストレーター、マンガ家、アニメーター、デジタルアーティスト、3Dモデラー、グラフィックデザイナー。様々なフィールドで活躍するクリエイターたちにとって、デジタルで創作を行う際に欠くことのできないアイテム「ペンタブレット」。デジタル作画の広がりとともに、ワコムのペンタブレットは世界中の数多くのクリエイターたちに選ばれてきました。
ワコムと梵天の共同企画であるDrawing with Wacom(DwW)では、ワコムのペンタブレットを手にした人気クリエイターたちの、ペンタブレットとの出会いから現在までを連続インタビューという形で紹介していきます。
インタビューの後には、ワコムの液晶ペンタブレットを使いサイン入りイラストを描いてもらう様子を動画で収録。メイキング動画はYouTubeワコムチャンネルで公開しています。

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イラストレーター

玖条イチソ

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ソーシャルゲームやカードゲーム、『釣りガール』(山田典枝/スマッシュ文庫)、『まだなのマイヒーロー!?』 (あきさかあさひ/集英社スーパーダッシュ文庫)などのライトノベルのイラストで活躍。女の子キャラクターを得意とし、丸みを帯びた柔らかな質感の造形やかわいらしいポージングで人気を集める。

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DwW047_ItisoKUJOU_pic1―― 絵を描くようになった経緯を教えてください。
絵は子どものころから好きでしたが、本格的に描くようになったのはデジタルツールに触れてからです。高校生のときにWeb上のお絵描き掲示板にハマり、好きなマンガの絵の模写などをしていました。自分の描いた絵に反響がくることがうれしく、もっと絵がうまくなりたいと思うようになりました。

―― そのころはどんな絵を描かれていたのでしょうか。
大好きだった『NARUTO』を中心に、少年マンガに登場する男性キャラクターをよく描いていました。女の子のキャラクターの絵を描くようになったのは、『機動戦士ガンダムSEED』を観てヒロインたちに魅力を感じるようになってからです。その後、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』などの深夜アニメも観るようになり、美少女キャラクターのイラストがメインになりました。またそのころから、お絵描き掲示板ではなくブームになりはじめていたイラスト投稿SNSで作品を発表するようになりました。コメントなどの反響が見えやすく、絵を描くのによりのめり込みました。

DwW047_ItisoKUJOU_pic2―― 商業でお仕事をはじめた経緯を教えてください。
はじめての仕事は、SNSの作品を見た編集者の方からお誘いいただいたカラーのWebマンガです。ただ、それまできちんとマンガを描いた経験がなかったため、イラストとの違いにとても苦戦しました。そのお仕事のすぐあとにトレーディングカードゲームのイラストの依頼をいただいたのですが、そのときも自分にはマンガよりもイラストが向いていると強く感じました。モチーフやコンセプトが見つかればまたマンガを描いてみたいとは思っていますが、今はイラストのお仕事だけに絞って活動しています。

―― イラストのお仕事で得られた点はありますか。
ライトノベルではタイトなスケジュールの中で、作品の設定や世界観をしっかりと読み取りイラストに落とし込む必要があるため、はじめのころはそれらに対応することが難しく戸惑うことがありました。ただライトノベルは尊敬するイラストレーターの方々が活躍されているジャンルですし、個人的にも手応えがあったので、これからも積極的に関わっていきたいと思っています。

―― 影響を受けたクリエイターを教えてください。
普段からほかのイラストレーターさんの作品をよく観ているので影響を受けた作家はたくさんいますが、一番を挙げるとすればブリキさんです。もともとぷにぷにとした頬の描写が好きで、ブリキさんのイラストを参考に顔の柔らかな質感の描き方を研究しました。また僕の彩色はアニメの塗り方に近いのですが、美少女ゲームのイラストから学んだ部分もあります。たとえば赤いものがあれば、その周りにあるものも反射光でうっすらと赤く染まるといった表現は、TYPE-MOONさんの作品を参考にして取り入れています。

DwW047_ItisoKUJOU_pic3―― 玖条さんの制作工程を教えてください。
はじめに大まかなラフを描き、そこから不要だと思う部分を削っていくという作り方をしています。アナログではあまりやらない、修正が簡単なデジタルならではの描き方ではないかと思います。また基本的に線画よりも色を中心に絵を構成するようにしています。線画を仕上げたあと、彩色の段階で輪郭も繰り返し修正します。ライトノベルの挿絵のようなモノクロの作品であっても、感覚としては白と黒の2色で描いているのではなく、グレースケールで彩色しながら見栄えを調整しているというのに近いです。

―― イラストを描く際に気をつけていることは何ですか?
一番はキャラクターをかわいらしく見せることです。また、キャラクターのイメージにあったポージングを取らせることに気をつけています。たとえば元気で活発なキャラクターだったら、一枚の絵の中にキレのある動きを感じられるポージングにしています。そのためにキャラクターごとのイメージを自分の中にしっかりと持つようにしています。

DwW047_ItisoKUJOU_pic4―― お使いのペンタブレットやソフトウェアを教えてください。
はじめて買ったペンタブレットは「Bamboo」で、その後「Intuos3」を使うようになりました。プロになったタイミングで「Intuos4」に買い替え、現在も愛用しています。ソフトウェアは、以前はセルシスのIllustStudioを使っていましたが、SAIがリリースされた直後そちらに移行しました。

―― 本日「Cintiq 27QHD」を使ってみての感想はいかがですか?
画面に直接触れている感覚が強いため、直感的に描くことができました。線の描き心地や発色もとてもよかったです。また、ディスプレイの大きさにも魅力を感じました。普段、板型のペンタブレットで作業をしているときは、メインのキャンバスの横に全体のバランスを確認するために縮小図を表示させています。画面が狭くなるためなくしたいと思っていたのですが、「Cintiq 27QHD」は画面サイズが大きく絵全体のバランスが非常に取りやすいため、使い慣れれば縮小図なしで快適に描くことができると思います。

―― 最後に今後の展望などを教えてください。
ライトノベルのイラストにもっとたくさん関わりたいと思っています。とくに剣と魔法の世界を舞台にした王道のファンタジーものを描いてみたいです。イラスト以外では、アニメのキャラクターデザインの仕事に興味があります。服のデザインを一から考えることが好きなので、実際にあるようでない、アニメならではの学園ものの制服をデザインしてみたいです。
 
 
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©Bonten/Wacom

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